甘くて体にも良い「ハチミツ」。含まれる栄養とその健康効果とは?免疫向上にも期待できる?
はちみつの種類
はちみつと言えば、とろりとして甘く、食パンに塗っても美味しい誰でもご存知の食品です。しかし、想像以上に種類がある事を知っていますでしょうか。花の種類が多くあるように、それ分だけはちみつの種類も豊富なのです。一般的な食品売り場で見かけるのは「レンゲ」や「アカシヤ」辺りが多いと言われています。他にもクローバーやナタネ、リンゴやシナノキなどがあります。香り豊かなラベンダーやローズマリー、変わり種のソバやコーヒーの花なども存在しています。
はちみつの栄養成分
はちみつはおいしいだけでなく豊富な栄養素を含みます。良質なビタミン類やミネラル類だけでなく、アミノ酸や酵素なども含有しているため栄養価の高い健康食品として重宝されています。江戸時代では砂糖と並ぶ、最高の甘味料として一般庶民には手の届かない高級な嗜好品でもありました。ビタミン類にはビタミンCやビタミンK、ビタミンB1・B2・B6・葉酸・パントテン酸などを含有。ミネラル類としてもカリウムを多く含み、カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・マンガンなど幅広くカバーしています。はちみつの糖分はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)から作られています。本来、花の蜜の主成分は白砂糖と同じショ糖(スクロース)ですが、ミツバチが体内の酵素で分解することでブドウ糖と果糖を構成。2つの糖分が混ざり合うことで味に深みが生まれ、特有のとろみが砂糖よりも甘みを感じやすくさせているのです。はちみつは砂糖と比較して1.3倍の甘味度を誇り、砂糖を使用するよりも少ない容量で済みます。また、上白糖100g当たりのカロリーは384Kcalであるのに対して、はちみつだと294Kcalです。甘みだけでなく、もともと低カロリーの食品だと言えます。
カラダの調子を整えてくれる
ミツバチがブドウ糖を作り出してくれるおかげで、勉強や頭を使う作業に最適な食品だと言えます。なぜなら脳のエネルギー源となるのはブドウ糖のみだからです。また、果糖もエネルギーに変換されやすい特徴があり、消化吸収されやすく胃にも優しい効率の良い栄養素だと言えます。風邪で身体が弱っていたり、スポーツなどの疲労回復としても効果を発揮します。さらに、はちみつには整腸作用があるため、便秘や下痢といった症状の緩和にも一役買ってくれます。
はちみつに含まれる豊富なミネラルの中でも、カリウムが特に含有量が多く、余分な塩分を排出する効果が期待できます。高血圧の方やむくみを感じる方は血中のナトリウム濃度の高さが原因で引き起こされることも。「自然の降圧薬」と呼ばれるカリウムを多く含むはちみつは、高血圧の予防としても最適です。
各種ビタミン類が含まれていることは美肌にも効果的だと言われています。ビタミンB郡は代謝を整え、肌荒れの予防や改善にも重要なビタミンです。活性酸素を除去し、健康できれいな肌を作ります。
はちみつの抗菌作用
昔からはちみつは抗菌作用があるといわれ、塗り薬や風邪薬として利用されてきました。実際に日本の研究で免疫機能へ働きかける作用があることが示されております。興味がある方は下のリンク先の論文を読んでみてください。
間違っても赤ちゃんにあげないで!!
あらゆる栄養素が含まれているはちみつ。子どもの成長のためにも取り入れたいと考える人も多いはずです。しかし、はちみつには「ボツリヌス菌」という菌が含まれていて、ごくわずかな可能性ではありますが「乳児ボツリヌス中毒」を引き起こす危険性があります。ボツリヌス菌はごく自然に存在しているもので、通常であれば口にしても害はありません。ただ、1歳未満の赤ちゃんの体内はボツリヌス菌にとって快適な環境であるため、増殖しやすいと言われています。赤ちゃんは腸内環境もまだ整っていませんし、免疫力も低いか弱い存在です。ボツリヌス菌の増殖し始めても食い止める力がありません。筋力の低下や哺乳低下などの症状を起こしてしまった場合は重篤な状態に悪化してしまうことがあります。また、加熱調理したとしても熱への耐性が強く、殺菌するには120度で4分以上の加熱が必要です。通常の調理ではリスクを取り払うことはできません。
以上のような理由から、間違っても1歳未満の赤ちゃんには与えることがないように注意してください。食卓に並びやすいことからも、手の届かない場所で管理する必要があります。
コメント