安全性を重視したサイドレイズのコツ!
今回は肩の側面(三角筋中部)に効く筋トレ「ダンベルサイドレイズ」でより安全性を重視したフォームを紹介したいと思います。一般的なフォームで高重量を追いかけていくうちに肩の怪我に繋がったり三角筋中部があまり発達しなかったという方におすすめのフォームです。
一般的なサイドレイズのフォーム解説はこちら↓
ダンベルサイドレイズは広い肩幅を作るために欠かせない重要な種目です!
サイドレイズで鍛えられる部位
- 三角筋中部(肩)
- 僧帽筋(背中)
メインターゲットは勿論、三角筋です!基本的な情報は以前紹介したものと大きくは変わりませんが細かい重心のコントロールや動作軌道の違いによって刺激の種類などが変化します。よりストレッチ局面に重点をおいた「スキャプラプレーンサイドレイズ」という種目も存在します。
サイドレイズのやり方
動き自体は単純なので、すぐに出来ると思います。腕を横に上げ、元の位置に戻す。基本はこれだけです。動作そのものは非常にとっても分かり易い種目ですね。
- 肩甲骨が足首の上になるポジションでダンベルを持つ
- 両手を下に押すようにして肩を下げる(大胸筋を収縮させるイメージ)
- 両腕を体から離した状態をキープして肘を軽く曲げ、腕を前にふる(肘はちゃんと体の横を通る)
- 肘が上がらなくなった位置で止める(肩関節を下げたまま固定できれば自然に止まる)
- コントロールしたまま負荷が抜けないように元の位置まで戻す(3に戻り、繰り返し)
動画でもしっかりと動作確認を行いましょう!
体幹をしっかりと固定し、かかとやつま先が浮かないように足の裏全体で重心を受けながら姿勢を維持する練習をしてください。
動画:サイドレイズのコツ(安全性重視)
安全性を重視したサイドレイズのポイント
今回紹介するフォームを一般的なサイドレイズとは少し違ったポイントがあります。しっかりとポイントを確認してフォームを練習してみましょう。
- 肘は軽く曲げた状態で維持する
- 手首はまっすぐにキープ(角度は気にしない)
- 膝を伸ばして反動を使わない(膝が伸びていてもバランスが崩れない真っ直ぐな重心を作る)
- 肩関節を下げたまま固定する
(固定できていると腕を真横に動かすときに肩より上に上がらなくなります) - 横に開くのではなく前に腕を振るイメージ
上記のポイントを押さえながら、10~20回でフォームを崩さずに限界が来る重量を選択して×3~5セットほど行います。あまり高重量は選択せずにパンプアップを狙うイメージで負荷を常に逃さないように行いましょう。
肩関節を完全に下げた状態で固定できていると肩関節の構造上真横に腕を上げることができなくなります。なので一般的な真横の軌道で無理な負荷をかけてしまうとインピンジメント症候群という怪我を誘発してしまう可能性が高くなってしまいます。なのでしっかりと三角筋に刺激を集中させたサイドレイズを行うためには自然と30度から40度程度前に腕を振る軌道で腕を動かすことになります。
最初から高重量を扱うと、肩以外の筋肉に頼ってしまう事があるので、重量は軽めに設定しておく事をおすすめします!
スキャプラプレーン上の軌道で動かすことが肩の怪我を予防することになる
スキャプラプレーンとは肩甲骨面(スキャプラ=肩甲骨、プレーン=面)とも呼ばれています。肩甲骨は体の上背面に位置し、三角形状の平面的な骨ですが、丸みのある肋骨に沿って位置するため水平面に対してやや角度(水平面から前方に30°程度)を持っていることが特徴として挙げられます。背中に壁をついて円を描くように腕を横から回そうとする(肩関節外転)と、腕を視界の中でとらえることができると思います。腕を挙げるときはこのスキャプラプレーン上で行うと、関節を包む関節包や靱帯のバランスが安定し、上腕骨への回旋ストレスがかかりにくいと言われています。
スキャプラプレーンは水平面に対してやや前方に角度を持っていますが、肩甲骨を引き寄せるようにする(肩甲骨内転)とこの角度をよりひろげて腕を上げることができますが、サイドレイズで肩甲骨を寄せてしまうと三角筋前部が上に向いてしまい三角筋中部の刺激が大きく減少してしまいます。(ショルダープレスと同じ使い方になる)
ところが肩甲骨を引き寄せないまま、腕だけを後方から挙げようとするとスキャプラプレーンから外れるため、腕はスムーズに挙がりません。それでも何とか挙げようとすると肩をすくめるといった代償運動が起こったり、肩の前方に過度なストレスがかかって痛みを発症したりといったことが考えられます。
結果的に三角筋中部を鍛えるためにはスキャプラプレーン上で動作を繰り返すことが、ケガの予防にもつながるものです。アップライトロウやパワースナッチなど他の三角筋中部を鍛える種目においてもスキャプラプレーン上でエクササイズを行うとより効果的で、安全な動作につながることをぜひ覚えておきましょう。
最後に
スキャプラプレーン軌道で行うサイドレイズは実質前方にスイングする動作を行うためローテーターカフや僧帽筋下部の筋肉も同時に鍛えられます。これらの筋肉は肩関節の怪我予防や運動パフォーマンスの向上につながるため特に鍛えておきたい筋肉ではありますがあまり重要視されていません。今回紹介したフォームでサイドレイズを行うことである程度まとめて鍛えられますので、特別に肩のトレーニングが必要ではない方もウォーミングアップや怪我予防として取り入れてみてはいかがでしょうか?
特に肩関節は使用頻度の高い関節で上半身すべての部位の運動で使用するので怪我をしてしまうと実質トレーニングができなくなってしまいます。このように重要な関節を最大限の効率を追い求めるよりも安全に継続的に効果を出せるかのほうが重要となって来ます。サプリメントや薬で誤魔化しても負担のかかる運動を継続していては意味がありません。
負担のかからないフォームで運動ができればそもそも関節が消耗しないのでサプリメントや薬、サポーターなどに頼らずに気持ち良く運動が続けられます。
今まで関節に負担をかけていた方はぜひこの機会にフォームを見直してみてください。
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