いきなり運動に入ると、体が重い、思うように体が動かせない。
一度疲れるとなかなか疲労が抜けないから、運動が億劫。
その悩み、ウォーミングアップ・クールダウンをしっかり行うことで解消できます!
怪我の予防は勿論、体全体の調子を整えてくれる効果・方法をご紹介いたします。
【ウォーミングアップ(準備運動)の目的や期待できる効果は?】
体を軽く動かすと、血液を全身に送りこむことができます。全身の血行を良くしたり、エネルギーを作りだすために必要な酸素を十分に取りこんだりすることが期待できます。
◎体温・筋温の上昇
運動に適した体温及び筋肉の温度を作ります。体の隅々まで血液を循環させることにより、筋肉のこわばりをほぐし、運動に適した柔らかさにする目的があります。
◎運動時の怪我を予防する
十分に関節回りや筋肉を温めておくと、運動による体への衝撃を受け止める用意ができ、怪我や故障の予防につながります。
ノルウェーの女性ユースサッカーチーム(125チーム・13~17歳)の選手を対象に、ウォームアップ時に体機能を活性化させるエクササイズを1シーズン実施・継続したところ、急性外傷や慢性障害が50%近く予防できた結果が発表されています。*
*出典:Soligard T, et al. (2008). Comprehensive warm-up programme to prevent injuries in young female footballers: cluster randomised controlled trial. BMJ, 1-9.
◎運動開始時のパフォーマンスを上げる
可動域を広げ、十分に血液を筋肉の隅々まで届けておくと、何もしないときと比べてスムーズに体を動かすことができます。
そうする動きの質が良くなり、技術・体機能の向上が見込めます。試合でもよいパフォーマンスへとつながるでしょう。
【ウォーミングアップの方法】
筋肉の温度を上げ、筋肉への血流を促す方法がおすすめです。さらに関節可動域を広げるメニューを加えて主運動に備えましょう。
種目によってウォーミングアップの方法はさまざまです。実際の動きに即したものを取り入れましょう。
◎ウォーキング→ランニング
最初はゆっくり歩くところから始めましょう。スローペースから入り徐々にランニングに移行することで心拍数を上昇させます。体を温めるとともに、筋温も上昇させ、筋肉への血流を促します。軽く汗ばむぐらいまで行うのが良いでしょう。
◎ストレッチング
運動前のストレッチは、約8~12分ほどで主運動に使用する筋群を伸ばすことが望ましいとされています。加えて筋肉のパワーを引き出すために、実際の種目に即した動的ストレッチを用いるのが良いでしょう。
【クールダウン(整理運動)の目的や期待できる効果は?】
十分なクールダウンは疲労回復・障害予防に非常に有効です。
運動によって興奮している神経・筋肉を鎮静させる働きがあります。
◎疲労の軽減・柔軟性の回復・傷害予防
運動終了後、筋肉の中にたまった疲労物質を排出する効果が期待できます。
硬くなった筋肉をゆるめ、柔軟性を回復させると同時に、運動で傷ついた筋組織への修復も進めることができるため、傷害予防につながります。
◎体に負担をかけないようにする
運動強度が高ければ高いほど、筋肉と心臓は連動して血液を体内に循環させています。
急に運動を中止すると筋肉中にある血液は内臓へと戻りづらくなり、めまいや体調不良につながる恐れがあります。
徐々に強度を落とすクールダウンを取り入れることで、無理なく全身への血流回復を促し、体への負担を軽減することができます。
【クールダウンの方法】
主運動から徐々に強度を下げるため、ジョギング(ダウンジョグ)やウォーキングで徐々に心拍数を落としていきます。
心拍数を通常に戻すことと合わせて運動で酷使した部分にたまった疲労物質を血流にのせて分解・排出する効果が期待できます。
◎ジョギング・ジョグ
若干遅く感じる速さで構いません。呼吸が落ち着いてくる速さで行います。
呼吸の荒さ、拍動がおちついてきたらウォーキングに切り替えてもよいでしょう。
◎ウォーキング
深呼吸をしながら歩いてみましょう。呼吸と同時に血液が循環し、酸素と栄養を十分に送り届けることができます。
◎ストレッチ
運動で使った筋肉をゆっくり伸ばしましょう。
負荷がかかった部分は硬くなっているので、反動をつけず各部位30秒~自分が気持ちいいと思える時間で行います。
セルフストレッチだけではなく、チューブやポールなどのツールを活用して伸ばすのも効果があります。
【ウォーミングアップとクールダウンを忘れずに】
主運動がメインとなるとついウォームアップやクールダウンはおろそかになりがちですが、運動前後こそパフォーマンスアップの秘訣が詰まっています。
まずは運動前後に体を目覚めさせる、そしていたわる習慣をつけてみましょう。
運動効果だけではなく、体へもいい影響がでてくるでしょう。
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