およそ5人に1人が睡眠に関して悩みを抱えているといわれる日本。
みなさんも「眠れない」といった悩みを抱えたことはありませんか?
お店では様々な快眠グッズが販売されており、主に「リラックス」を目的としたものが多くなっています。リラックス効果のあるもので、体を睡眠モードにしてくれる「副交感神経」を優位にするなど工夫をし、眠りにつきやすくすることも睡眠を取るために大事なことですが、意外と見落とされているのが「体温」です。そんな、睡眠にとって大きな役割を果たしている体温の変化についてお話しましょう。
【睡眠に入るときの体内温度の変化】
私達の体が眠りにつくとき、体の中では体温が変化しています。よく、布団が体温で温まると眠くなるとか、子供は眠くなると体が暖かくなるといわれますが、まさにそのとき「睡眠に入るための作用」が体内で起きています。
では、どうして眠くなると体が暖かくなるのでしょうか?その理由は、体内の内臓や脳の温度「深部体温」を下げているから。体は深部体温を手や足から放出し、深部体温を下げることで休息モードに入ります。
「ん?ちょっとまって?眠くなると子供の体は暖かくなってない?」と思いません?
それは「体内を冷やすために深部体温の熱を皮膚から放出している」から。眠くなると体が暖かくなるのは、体内の熱により皮膚が温まっているためです。
また、眠くなると布団が暖かくなってくるのは、放出された深部体温の熱で布団が温まっているからです。
「じゃあ、冷え性なら体が冷えているし体温が早く下がるのでは?」と思われるかもしれませんが、主に手足が冷えてしまう末端冷え性の人は皮膚の血管が収縮しており、熱が皮膚から外に逃げにくい状態になっています。
そもそも、なぜ眠るために深部体温を下げるのでしょうか?それは私達が活動をしている間絶えず働き続けている「脳」を休ませるためなのです。
脳を冷やし、脳の働きを落ち着かせ、脳の休息を促すことによって働き続けた脳を休ませます。つまり、体温調節を行うことで質の良い睡眠につながり、脳をきちんと休ませることにもつながります。

【身体の仕組みを知って、うまく活用しよう】
このように、睡眠に入る前に体内では「深部体温」を下げるように体が働いています。この作用をうまく利用することで、睡眠の悩みを解決できるかもしれません。体温調節がうまくいくように促す工夫をしてみましょう。
【体内時計の周期を整える】
体温の調整には、体内時計が関係してきます。体内時計の周期を整えるためには以下のようなことが効果的です。
生活のリズムを崩さない…夜ふかし、寝坊の繰り返しは生活のリズムを崩します。
朝日を浴びる…朝日を浴びることで、体内時計がリセットされると言われています。
軽い運動を生活に取り入れる…散歩やストレッチなど、簡単なものでかまいません。
オススメは朝の30分の散歩。ほんの少し早く家を出て、朝日を浴びながら会社まで少し遠回りして歩くのがいいですね。
【お風呂に入って体温を上げる】
お風呂に入って体温を上げることで、皮膚の血管を開いて深部体温の放出をスムーズに行うことができます。
ですが、あまり熱い温度で入浴すると、体の活動を活発にする交感神経が優位になってしまい、逆に目が冴えてしまうこともあるのでおすすめできません。
また、眠る直前の入浴もおすすめできません。ベストな入浴のタイミングは眠る1~2時間前が良いとされています。

【冷え性の人は湯たんぽや電気毛布を使う】
熱を放出しにくい冷え性の人は、湯たんぽや電気毛布で体を温めるのがおすすめです。どちらも手足を温めて皮膚の血管を広げ、体内の熱を放出しやすくします。
湯たんぽは時間が経つと温度が下がっていくため、体温変化の邪魔をしませんが、電気毛布は設定した温度をキープするようになっています。布団に入る前に電源を入れておき、布団に入ってから15分ほどで電源が切れるようにタイマーを設定しましょう。温度も低めに設定しましょう。高温に設定すると手足に汗をかいてしまい、逆に冷えてしまうので注意が必要です。

【部屋の温度を上げすぎない、下げすぎない】
冬場、暖房をかけすぎると深部体温が下がりにくく、逆に夏は冷房を強くしてしまうと体が冷えて、皮膚の血管が収縮してしまい深部体温が下がることを妨げます。
タイマーなどをかけ、温度を調節しましょう。

「…こんなに簡単なことでいいの??」
はい、良いのです。
日常の生活にちょっとした工夫をすることで深部体温を調節することが可能なのです。
睡眠の質を向上させるには、生活習慣や寝室環境、食事、運動などを見直すことが効果的です。
下記にその他の睡眠の質を向上させるのに役立つ習慣を記載しておきます。
気軽に出来る範囲で実践してみましょう。
無理な習慣はストレスにもなりますし、なにより続きません。
それでは、今夜も良い眠りを!
【睡眠の質を向上させる生活習慣リスト】
【生活習慣】
- 就寝3時間前までに夕食を済ませる
- 軽い有酸素運動を習慣的に行う
- 睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を妨げないよう、就寝2時間前以降は強い光を浴びないようにする
- 睡眠前にアルコールやカフェインを控える
【寝室環境】
- 遮音の工夫をする
- 部屋に入る光を遮光カーテンなどで調節する
- 寝室の照明を暗くする
- 室温を快適に保つ
【食事】
- 朝食に適切な量の糖質をとる
- 夕食はバランスよく脂質を控えめに、肉や魚、卵、乳製品などの良質なたんぱく質を積極的に食べる
- 睡眠前には食事をとらないようにする
【運動】
- ウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動を、眠りにつく1~2時間前までに行う
【その他】
- 温かい飲み物で眠気を促す、ぬるめの入浴でリラックスする、リラックスできる音楽を聴く、 自分に合った寝具を選ぶ。


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