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上肢
上肢の筋肉はその多くが肘関節の動きに関与しています。
肘関節は蝶番のように動く関節で、伸ばしたり曲げたりという運動をすることができます。
前腕には尺骨と橈骨の2本の骨で動く橈尺関節も存在します。
橈尺関節が動いて、回内(身体内側に回す)・回外(身体外側に回す)の動きをすると、手のひらの向きが変わります。
この動きは手だけの動きでも、肩回旋の動きでもないため、気を付けましょう。
上腕二頭筋
上腕の前面にある筋。腕を曲げたときにできる力こぶはこの筋。
2つある筋頭(筋肉の始まり部分)は肩甲骨に起始している。
肘を屈曲させる動きで主に活躍し、前腕を回外する動きでも大きな力を発揮する。
上腕二頭筋を使う運動鉄棒で行う懸垂肘を曲げて荷物を持ち上げる
上腕筋
上腕二頭筋の深部下部分にあり、上腕の下半分を占める筋。
形は扁平で、肘関節の屈曲で主に活躍する。
前腕を回外しても回らない尺骨に停止しているため、前腕の回内・回外に関係なく力を発揮することができる。
上腕筋を使う運動カヌーのオールをこぐ肘を曲げて荷物を持ち上げる
上腕三頭筋
上腕の後面にある筋で、面積が大きく、上腕後面はほとんどこの筋で構成されている。
肘を伸ばす動きで主に活躍する。
起始部と筋腹が3つの部分に分けられる。
- 長頭:肩甲骨の関節下結節から起始
- 外側頭:上腕骨後面から起始。外側の位置
- 内側頭:上腕骨後面から起始。内側の位置
上腕三頭筋を使う運動腕立て伏せ荷物を高いところに持ち上げる動作
背面図

正面図

腕橈骨筋
前腕前面の最も外側に位置する筋。
前腕が回内位の状態で肘を曲げる動作で最も活躍する。
腕橈骨筋を使う運動釣りをしているときに竿を引っ張る手に下げた買い物袋を持ち上げる
肘筋
肘の後面にある三角の小さな筋。
上腕三頭筋の一部が分離してできたものと言われている。
主に上腕三頭筋の補助をして、肘を伸ばす動きで活躍する。
肘を曲げるときに、肘関節に関節包(関節を包む総合組織)が巻き込まれないように防ぐ役割も持っている。
肘筋を使う運動腕立て伏せ荷物を高いところに持ち上げる動作
回外筋
前腕後面の外側にある筋で、橈骨頭を覆っている。
肘先を外側にひねる動きで主に活躍する。
円回内筋・方形回内筋と拮抗して働き、反対の向きに作用する。
回外筋を使う運動ねじや容器のふたを開ける動作(右回り)バトミントンでのバックハンド
円回内筋
肘の内側(小指側)から前腕の外側に斜めに位置している筋。
前腕を回内する際に活躍し、肘関節を曲げるのも補助している。
使う頻度が多くなることで、損傷が出やすい筋でもある。
円回内筋を使う運動ダンベルを巻き上げる肘を曲げて荷物を持ち上げる
方形回内筋
前腕の手首側にある平たい筋。
円回内筋とともに、肘先を内側に回内するのに役立つ。
手首の動きには関与しない。
方形回内筋を使う運動ダンベルを巻き上げる肘を曲げて荷物を持ち上げる




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