筋トレは筋肉を大きくしたい人だけがするものと思っていませんか?
私たちは、筋トレをすることで体のなかからエネルギーを作りだしており、
それによって生まれる嬉しい効果がたくさんあります。
続けたくなるようなさまざまなメリットをご紹介します。
【基礎代謝の向上】
筋トレを継続すると筋肉量が増えます。
そして、それにともなって向上するのが基礎代謝量です。
じっとしていたり眠っているときなども、体内では生命活動を維持するために必要な
心拍・呼吸・体温維持などが行われています。
基礎代謝はこの活動で消費される必要最低限のエネルギーのことです。
筋肉量を増加させ体の中で熱を生み出す力が強くなると、
体内のエネルギーがより多く消費されていくため、
痩せやすく、太りにくい体を作ることにつながります。
【冷え性やコリも改善】
体の冷えやコリなどの原因として血流が滞っていることがあげられます。
筋トレで継続的に筋肉を動かすことで毛細血管が発達し、
全身の血行が良くなり体がポカポカしてくる感覚を得られます。
体のすみずみまで血液が運ばれるようになると、
それまで冷えていた部分もあたたまり、固まっていた部分も動きやすくなります。
【成長ホルモンの分泌をサポート】
体内の代謝を促す成長ホルモンも筋トレによって分泌させることができます。
成長ホルモンは体の細胞を合成促進し、骨や筋肉を作るだけではなく、
脳の疲労回復や病気への抵抗力をつけることにも役立ちます。
発育時に自然に起こる成長ホルモンの分泌は、加齢とともに徐々に減っていき、
高齢者になるとほとんど消失します。
しかし筋肉に直接刺激を与える筋トレを行うと、
年代を問わず筋肉修復のために成長ホルモンの分泌が増大するのです。
また、睡眠中にも成長ホルモンは分泌されています。
睡眠時最初のノンレム睡眠(30分後~2時間ほど)は成長ホルモンが一番分泌される時間帯とされ、
このときの眠りが深いほど、体の組織が修復・回復されやすくなります。
【ボディメイクにつなげる】
筋トレといえば高重量というイメージを持つ方も多いですが、
低~中重量で回数を重ねるトレーニングには脂肪燃焼効果を得られるというメリットもあります。
減量のためにまず筋トレを勧められることも多くあります。
まず体の中で熱を作るための筋肉をつけた状態で、
筋肉に酸素を取り込んで脂肪を燃焼させる有酸素運動を組み合わせることで、
より効率的に減量することが可能になります。
筋肉をつける段階で分泌される成長ホルモンは、体脂肪の合成を防止し、
すでについている脂肪組織の分解を促進する効果が期待できます。
筋トレを習慣化し、成長ホルモンの分泌を促進することで、
脂肪燃焼と筋肉をつけるという両面からボディメイクにつなげることができます。
【QOLの向上】
加齢による代謝の衰えは、筋肉量の低下及び筋力の衰えと直結し、
QOL(Quality Of Life:生活の質)に大きな影響を与えます。
太腿前の大腿四頭筋・お尻の大臀筋・腹筋群・背筋群といった大きな筋肉は、
立ったり歩いたりするために必要ですが、一番加齢の影響を受けやすい部分といわれています。
この部分を鍛えずにいると、サルコペニア(加齢に伴う筋委縮)が発生し
日常生活に不自由が生まれてくることがあります。
筋肉は何歳からでも鍛えることが可能です。
トレーニングに必要な強度とその効果には個人差がありますが、
筋トレをつづけることでサルコペニアの進行を約3分の1程度に抑えることができるといわれています。
平均寿命が延びてきた昨今、
QOLを維持・向上させるためにも筋肉量を減らさないことは大切です。
姿勢の維持や、立位を楽に保つために必要な筋力のトレーニングは、行うべきといえるでしょう。
【IL-6分泌促進】
筋肉(骨格筋)の収縮は、代謝や筋機能の動きに関わる
さまざまなサイトカイン(生理活性物質)の分泌にもつながります。
そのなかのひとつ、IL-6は代謝を促すサイトカインとして注目されています。
IL-6の分泌器官として脂肪細胞と骨格筋の2種類がありますが
その役割と経路は全く異なります。
代謝の促進
脂肪細胞から分泌されるIL-6は炎症を促進するのに対して、骨格筋から運動に血中に分泌されるIL-6は炎症を抑制し、骨格筋での脂肪分解、肝臓での糖代謝に関連することがわかってきました。
また骨格筋中にはIL-6を分泌するだけでなくIL-6を取り込む受容体も発生することから、全身の脂質・糖代謝を促進する作用も持ちます。
ストレスへの耐性が向上
メタボリックシンドロームの患者はストレスを原因とした脂肪細胞からの炎症反応が生じやすいといわれます。定期的な運動によって筋肉を動かす時間を増やすと、活動時間の増加からIL-6の分泌を増やすことが期待できます。
また、ストレスによる交感神経の活動を減らすことにもつながります。
個人に合った運動を続け、IL-6の分泌を増やすことで炎症の原因となるストレスへの耐性を向上させ、また代謝促進の面からも健康な体へと働きかけていきます。
【まとめ】
目に見える筋肉の大きさだけではなく、身体の中で様々な影響をもたらしてくれる筋トレ。続けることでいつの間にか体の中が変わっていたら嬉しいですよね。エネルギーを作りだしてくれる張りのある体を保ち、健康な生活を送りましょう。
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